最初にやること

よく開け直す箱を1つ選び、中身が分かる名前か写真を付ける。

同じ形の箱が棚に並び、充電器を探して順番に開けている。しまった記憶はあるのに場所が分からず、同じ物を買い足してしまった。収納場所そのものは決まっていても、外から中身が分からないと探す作業が残ります。

ここでは箱を増やす前に、今ある収納の中身を分かる形へ変えてみます。透明な容器に替えるだけが方法ではありません。ラベル、写真、扉の内側のメモなどから、自分が見て判断しやすいものを選びます。部屋中を一度に整理せず、よく使う収納の1段を対象にしてください。

具体的な手順

  1. 何度も開ける場所を1つ選ぶ

    最近どこを探したかを思い出し、台所の引き出し、文房具の箱、洗面台の棚などから1か所を選びます。見た目が乱れている所より、使うたびに迷う所を優先する考え方です。中身を全部床に出す必要はなく、探していた物がどの箱に入っているかを確かめるところから始めます。

    「どこにあるか分からない」のか、「場所は分かるが奥から取り出せない」のかも分けておきます。後者なら、ラベルを増やしても取り出す工程は変わりません。積み重ね方や箱の深さを先に見直すほうが合う場合があります。

  2. 使うときに呼ぶ名前で表示する

    「小物」「その他」だけでは、入っている物を判断しづらいことがあります。「充電ケーブル」「封筒と切手」のように、探すときの言葉をラベルにします。分類に迷う物が多いなら、細かく分けすぎないほうが戻しやすい場合もあります。

    名前が思いつかなければ、中身を並べた写真を1枚貼る方法もあります。写真を撮るために美しく整える必要はありません。箱を閉じた状態で読める面に貼り、引き出しなら開ける側から見える位置を選びます。家族が使う場合は、通じる呼び方を一緒に確かめます。

手順と例を図で整理する

収納の中身を表示する図解。よく探す箱を選び、探すときの名前や写真を付け、見せる範囲を選び、中身と表示をそろえる。共有の棚や保管条件にも配慮する。詳しい説明は本文にあります。
手順・具体例・合わない場合の工夫をまとめました。小さな文字は、画像を押して拡大できます。
  1. 見せる範囲と、隠す範囲を決める

    よく使う日用品は中身が分かる箱、個人情報のある書類は中身を見せない箱、という使い分けもできます。すべてを透明にすると、物が多く見えて落ち着かない人もいます。その場合は扉の内側に一覧を貼り、必要なときだけ確認する形にします。

    薬や洗剤、刃物などは、見つけやすさだけで置き場所を決めません。製品に必要な保管条件や、子ども・ペットが触れない場所を優先します。契約書などのラベルにも、来客に見せたくない詳しい内容まで書く必要はありません。

  2. 使った後に、表示と中身をそろえる

    一度使ってみて、ラベルを見れば目的の物が見つかったか、戻す先を迷わなかったかを確認します。違う物が混ざるなら、本人が間違えたと決める前に、ラベルの名前が広すぎないか、戻す場所が遠くないかを見ます。

    使わなくなった分類は、空箱として残さず表示を外すか書き替えます。細かな在庫数まで管理しようとすると更新の手間が増えるので、まずは「何の箱か」が分かれば十分です。数回使って変化がなければ、元に戻して別の収納1か所を試しても構いません。

たとえば、こんなふうに

机の棚に同じ白い箱が3個ある。まず、よく探すケーブルの箱だけに「充電ケーブル」と書いた紙を貼る。旅行用の変換プラグも同じ箱に入れるなら、ラベルを「充電・接続」に変えて試す。外から物が見えると気になるため、透明箱は買わず、いまの箱を使い続ける。

合わないときは

文字を読むより写真のほうが分かりやすいなら、写真を選びます。写真が細かくて判断できなければ、大きな文字だけに戻します。共有物と私物の境目が曖昧な場合は、ラベルを貼る前に置く範囲を相談してください。収納用品を買うのは、今の箱で表示を試し、必要な形や大きさが分かってからでも遅くありません。

出典と、この記事の編集について

NHSの成人ADHD情報にある生活や環境を調整する考え方を背景に参照しました。箱に名前や写真を付ける方法、見せる範囲を選ぶ方法、充電ケーブルの例は編集部が作成しました。収納方法の効果が医学的に検証されているという意味ではありません。

この手順は診断や治療に代わるものではなく、ADHDのあるすべての方への効果を確認したものでもありません。