最近困った場面を1つ選び、「場面・仕事への影響・希望」を書く。
仕事の調整を相談したくても、何から話せばよいか迷うことがあります。「集中できない」「指示が苦手」と広く説明するより、どの場面で何が起こり、仕事のどこに影響するかを伝える方が、相談する内容を絞れます。
Acasは、職場の調整は同じ診断でも人によって合う方法が異なり、試した内容を見直すことが大切だと説明しています。この記事では日々の業務相談に使う準備を提案します。診断名の開示を前提にせず、伝える情報の範囲は自分で考えます。制度としての手続きや必要書類は、職場の担当窓口で別に確認してください。
具体的な手順
最近の場面と、仕事への影響を分けて書く
「自分は仕事ができない」ではなく、「朝礼で変更が口頭で続くと、変更後の順番を確認し直すことがある」のように、起きた場面を書きます。毎日なのか、特定の作業だけなのかも、分かる範囲で添えます。
次に「確認のために作業の開始が遅れる」「古い順番で進めそうになる」など、仕事への影響を短く書きます。他の人の気持ちを推測したり、診断が原因だと決め付けたりする必要はありません。最近の具体例を1つ用意すれば、最初から過去の出来事をすべて説明しなくても相談を始められます。
試したい方法を、実行できる形にする
「配慮してほしい」から少し具体化して、「朝礼で変わった順番を、共有メモにも残してほしい」「確認作業の間は静かな席を使いたい」のように、希望する変更を書きます。NHSも、書面の指示や静かな作業場所を支援の例として紹介しています。
自分に何が合うか分からない場合は、そのことを伝えて候補を一緒に考えても構いません。いくつも変更するより、まず困る場面に対応する案を選びます。連絡が必要な仕事なら、静かな場所で作業する間の呼びかけ方法など、業務上必要な条件も相談します。
手順と例を図で整理する

相談先と見直す時期を決める
上司、人事、産業保健の担当など、職場で利用できる相談先を確認します。「困っている場面について、10分ほど相談したいです」と、話す時間を依頼してもよいでしょう。健康や診断の情報を伝える場合は、誰に共有されるか、どの範囲を記録するかも確認します。
試す方法が決まったら、いつから、どの場面で、誰が何をするかを短く残します。「来週の朝礼で共有メモを使い、金曜に確認する」のように見直す時期を決めます。試して合わなかったことも相談材料です。本人の努力不足と決め付けず、方法や範囲を変えられるかを話します。
たとえば、こんなふうに
口頭での変更を見失う場面なら、次のように準備できます。
場面:朝礼で当日の作業順が何度か変わると、最終的な順番をつかみにくい。 影響:開始後に確認し直すため、取りかかりが遅れることがある。 希望:変更後の順番を共有メモに残し、自分でも読んで確認したい。 見直し:来週試して、金曜に確認のしやすさと運用の負担を相談したい。
診断名を話すかどうかをまだ決めていない場合も、まず業務上困る場面を説明する文面として使えます。開示の範囲は相談先と確認しながら考えます。
合わないときは
直接話す負担が大きければ、メモを先に渡す、文章で時間を依頼する、同席してもらえる人を探す方法があります。相談先が分からなければ、人事などに窓口だけ尋ねることから始めても構いません。
希望した方法が難しい場合は、その理由と、別の方法を試せるかを確認します。ただし、つらさや不利益を感じる状況を一人で調整し続ける必要はありません。職場内の別の窓口や外部の相談先の利用も検討してください。この記事は法的な権利の判断や、個別の手続きの案内を行うものではありません。
出典と、この記事の編集について
Acasの資料が支えるのは、職場での困り方には個人差があり、調整を試して見直すという考え方です。NHSは書面の指示や静かな作業場所の例を示しています。場面・影響・希望の書き方や相談文は編集部の提案です。両資料の英国の制度説明を、日本での権利や義務として適用していません。
- Acas:Adjustments for neurodiversity(仕事の調整例) ↗公的機関 · 本文確認:2026.09.26
参照した範囲:作業の分割、計画時間の確保、個人に合わせて調整を試し見直す考え方。英国の制度を日本の権利・義務として適用せず、記事独自の手順は編集部の提案。
- NHS:ADHD in adults(職場での支援の例) ↗公的機関 · 本文確認:2026.09.26
参照した範囲:口頭の説明に書面を添えること、作業計画を他の人と組み立てること、静かな作業場所の例。記事独自のメモ形式や文例の効果は検証していない。
この手順は診断や治療に代わるものではなく、ADHDのあるすべての方への効果を確認したものでもありません。

