重なっている依頼を「作業・期限・依頼者」の3項目で書き並べる。
午前中に頼まれた資料を作っていたら、別の人から今日中の修正が届く。その後で「こちらを先に」と言われると、何を後ろへ動かしてよいのか分からなくなります。個々の依頼を忘れないことに加えて、仕事同士の順番を確認する必要があります。
NHSは、作業を計画し組み立てる際に他の人の助けを得ることを、職場での支援例に挙げています。ここでは依頼が重なった場面に絞り、一覧を使って相談する方法を編集部が示します。作業量と期限を見ながら、依頼者と順番を相談するために一覧を使います。
具体的な手順
期限と、待っている人を並べる
いま受けている仕事を「作業」「期限」「依頼者」で書きます。期限は日付だけでなく、分かれば時刻も残します。「なるべく早く」と言われたものは、いつ何に使うのか確認します。相手が待つ理由も一言あると、順番を相談しやすくなります。
完成までの時間が分からなければ、無理に正確な見積もりを出さず、「確認が必要」「作業量は未確認」と書きます。すでに約束した提出時刻と、希望として聞いただけの時刻も分けます。依頼のない通常業務や会議がある場合は、それらに使う時間も忘れずに考えます。
順番の案と、後ろに動く仕事を伝える
一覧を見ながら「Aを先にするとBは明日の午前になります」のように、片方を選んだ場合の影響を伝えます。「全部急ぎです」とだけ説明するより、何を変える必要があるかを共有できます。作業範囲を減らせるなら、その案も添えます。
依頼者が複数いる場合は、それぞれに別の約束を重ねず、上司や案件の責任者など、全体の順番を調整できる人へ相談します。自分で決めてよい範囲が明らかなら、その範囲で順番を提案します。返事を待つ間に進めてよい仕事があるかも確認すると、全部を止めずに済む場合があります。
手順と例を図で整理する

合意した順番を、関係する相手へ残す
順番が決まったら「今日はAの確認、Bは明日12時まで」と短く書き、変更が関係する依頼者へ共有します。承認を得ていない変更を、決定事項のように伝えないようにします。相談中の仕事は、相談中と分かる形で残してください。
新しい依頼が入ったら、一覧へ加えて影響を確かめます。一度決まった順番を守ろうとして、後から増えた作業まで無理に詰め込む必要はありません。期限を変更できないものが重なれば、担当を分ける、範囲を狭める、確認役を頼むなど、順番以外の調整も相談します。
たとえば、こんなふうに
今日15時までの見積書と、今日中の集計を受けているところへ、説明資料の修正を頼まれた例です。
見積書:15時に取引先へ送る。あと1時間程度の確認。 集計:今日中。依頼者へ用途を確認中。 説明資料:明日朝の会議で使う。修正範囲は未確認。
相談文は「見積書を先に確認すると、集計と説明資料の両方を今日中には終えられない見込みです。どちらを先にしますか。説明資料は変更箇所を限定できますか」とします。決まった期限は、それぞれの依頼者にも伝えます。
コピーして使う
優先順位を相談するメモと文例
先に依頼を並べてから、相談文の[ ]を書き換えます。期限が約束済みなのか、まだ希望を聞いた段階なのかも区別してください。
【重なっている依頼】 A|作業: 期限・約束済みか: 依頼者・用途: 残りの作業時間(不明なら未確認): B|作業: 期限・約束済みか: 依頼者・用途: 残りの作業時間(不明なら未確認): 会議・通常業務など、すでに決まっている予定: 全体の順番を相談する相手: 【相談文】 現在、[A]を[期限]、[B]を[期限]で受けています。 [A]を先に進めると、[B]は[見込む時刻]になる見込みです。 [先に進める仕事]を先にしてよいでしょうか。 両方の期限を変えられない場合は、範囲や担当を相談したいです。 [確認したい時刻]までに順番を確認できますか。 【返事を受けたら】 合意した順番・期限: 変更を伝える相手: まだ相談中のこと:
使うときに確かめること
- 時間が分からない仕事は、確定した見積もりのように伝えない。
- 返事を受ける前の順番や期限は「案」「相談中」として残す。
- 調整後の期限は、変更が関係する依頼者にも伝える。
編集部が作成した記入用のひな型です。コピーして、自分の予定や仕事に合わせて書き換えてください。
合わないときは
相手から順番の返事が来ない場合は、期限が近い仕事を勝手に放置せず、「何時までに順番を確認したい」と伝えます。連絡が取れないときの判断は、職場のルールや既存の約束に沿い、後から経緯が分かるように残します。
依頼が常に作業時間を上回るなら、個人の並べ替えだけで解決しないことがあります。実際の一覧を使って、仕事量や担当の配分を相談してください。優先順位を決めても、すべてが同じ期限で終わるとは限りません。
出典と、この記事の編集について
NHSの資料にある、他の人の助けを得て作業を計画・構成する支援例を参考にしました。依頼一覧の項目、順番の相談文、変更を共有する手順は編集部の具体的な提案です。資料がこの一覧形式を推奨したり、効果を検証したりしているわけではありません。
- NHS:ADHD in adults(職場での支援の例) ↗公的機関 · 本文確認:2026.09.26
参照した範囲:口頭の説明に書面を添えること、作業計画を他の人と組み立てること、静かな作業場所の例。記事独自のメモ形式や文例の効果は検証していない。
この手順は診断や治療に代わるものではなく、ADHDのあるすべての方への効果を確認したものでもありません。


