中断する作業について「ここまで・次は・開く場所」を1行ずつ書く。
表を確認している途中で話しかけられ、そのまま別の仕事を始める。戻ったときには、どこまで確認したのか分からず、最初から見直す。こうした場面では、中断をなくすことより、戻れる情報を残す方が試しやすい場合があります。
この方法は、自分で選ぶ休憩の取り方とは別に、相手からの割り込みに対応するためのものです。Acasが挙げる作業の分割や計画の時間を確保する考え方を参考に、編集部が中断前後の手順を作りました。緊急の対応が必要な場面では、メモを完成させるより必要な対応を優先します。
具体的な手順
いまの作業を、戻れる状態で仮置きする
中断できる状況なら「少しだけ、いまの確認箇所を残します」と伝えます。「ここまで:4月分は確認済み」「次は:5月分の合計」「開く場所:共有フォルダの集計表」のように、再開時に必要な3点を書きます。
長い説明や中断した理由までは要りません。画面のどの行にいたかが大事なら、行番号や見出しを書きます。ファイルを保存する必要がある作業は、保存も確認します。操作を途中で止めると危険な仕事や、保存してはいけない状態の作業では、職場の手順に沿って区切れるところまで進めてください。
依頼の期限と、今すぐ必要な範囲を聞く
相手の「急ぎ」が、自分の理解と同じとは限りません。「何時までに必要ですか」「今は確認だけでよいですか」と聞き、受ける仕事の範囲を確かめます。すぐに答えられる質問と、まとまった時間が必要な依頼を分けて考えます。
現在の作業も期限が近ければ「この集計を止めると、提出が遅れる見込みです」と影響を伝えます。自分だけで順番を決められない場合は、依頼者や調整役に相談します。「あとでやります」とだけ答えて依頼を忘れないよう、引き受けた内容は普段の仕事一覧へ残します。
手順と例を図で整理する

戻る合図を決め、メモから再開する
割り込みの対応が終わったら元の仕事へ戻るのか、別の予定の後で戻るのかを決めます。「問い合わせを返したら集計表へ戻る」のように、終わりの動作と戻り先を結び付けても構いません。
再開時は、仮置きしたメモを先に読み、示したファイルや行を開きます。中断中に他の人が編集した可能性があるなら、最新の状態を確認してから続けます。新しい割り込みが重なった場合も、仮置きのメモを別々の場所へ増やさず、普段の仕事一覧から戻れるようにしておきます。不要になった中断メモは、作業が終わった時点で閉じます。
たとえば、こんなふうに
集計中に「今日の説明資料を直してほしい」と頼まれた場面です。
元の作業:4月分は確認済み。次は5月分の合計。集計表の上段を開く。 相手への確認:説明資料は何時までに必要か。直すのは見出しだけか。 順番の相談:資料を先に直す場合、集計の提出時刻を遅らせてよいか。 戻る合図:修正した資料を送ったら、中断メモを開く。
資料の修正が長引いたら、元の提出時刻に間に合わないことを分かった時点で伝えます。メモがあるから予定どおり進むと考えず、仕事量も見直します。
合わないときは
電話などでメモする余裕がなければ、会話が一区切りしたところで元の仕事の名前だけ残します。毎回中断が入り、戻る時間そのものがなくなるなら、メモだけでは解決しません。まとめて質問を受ける時間や、一次対応の担当を職場で相談する方法もあります。
複数の依頼を断れずに抱えているときは、一覧を上司や調整役と見ながら順番を確認します。中断にうまく対応できたかだけで、自分の働き方全体を評価する必要はありません。
出典と、この記事の編集について
Acasの資料にある、仕事を小さく分けることや計画の時間を確保する支援例を背景にしています。「ここまで・次は・開く場所」のメモや割り込み時の確認文は編集部が作成しました。英国の制度説明を日本の職場の権利や義務として紹介する記事ではありません。
- Acas:Adjustments for neurodiversity(仕事の調整例) ↗公的機関 · 本文確認:2026.09.26
参照した範囲:作業の分割、計画時間の確保、個人に合わせて調整を試し見直す考え方。英国の制度を日本の権利・義務として適用せず、記事独自の手順は編集部の提案。
この手順は診断や治療に代わるものではなく、ADHDのあるすべての方への効果を確認したものでもありません。

